鑑賞

文豪に対してそこまで言う?

 知人・友人からいわゆる著名な人の作品や言葉を「これすごいよね!!(一緒に感動して)」と言わんばかりにライン等で送られてくることがあります。残念ながら私は著名だからといってすべての作品等を「素晴らしい」とは感じないので時として返答に困ることがあります(汗)。

 さて先日、石川啄木の作品をいくつか生徒に紹介したときのことです。生徒が

「ダークな人ですね・・・」

と呟きました。私は思わずツボってしまい、大笑い!!この発想、大人だとなかなか出来ない、あるいはそういう発想をしても遠慮して発言しないのが常です。文豪という肩書・イメージゆえに「文豪の作品はすべて素晴らしい、芸術だ」というバイアスに支配されているのです。

 でも、実はこの本音こそが聞き手や読み手に響くものなのです。なぜなら他者から借りてきた言葉ではなく本音だから。来月から公開講座(大人の文章講座、読書感想文講座、作文講座)が目白押しですが私は講座では声高に言うつもりです。「自分の本音を自分の言葉で!」と。

 AIに文章を作ってもらうのもいいでしょう。しかし、それだけ…の文章ははっきり言って魅力はないですし読み手にすぐに伝わります。素人を騙せてもプロは騙せません。数年後はともかくとして今の段階ではまだまだ「自分の言葉」をたす必要ありです。

 ところで・・・石川啄木に対しては過去に某生徒が「先生、この人ってホームシック凄いですね!」と言ったことも。一応、国語では「望郷の念」と表現しますがそれをホームシックと言い換えると皮肉っぽさが加わり笑えました。自由な発想…最高です。

 

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