文章の型 語彙力

あえて使わない、便利な言葉

  

 文章を書く際には「型」が大切だとしつこいくらいに言っている私。では「便利な言葉、言い回し」はどうでしょうか?「便利な言葉」を使い始めると、ついついそればかり使ってしまい味気ない文章、型通りの文、文章になってしまうことが多いです。

 ですから、「便利な言葉」がダメと言うわけではないのですが、使いすぎに注意!というべきでしょうか。私は時々、生徒たちに例文が多く書かれているプリントを渡し、その例文に対して「思う」「感じる」「悲しい」「嬉しい」といった感情をダイレクトに示す表現を「あえて使わず」に気持ちを書くように指示します。

 最初は意気揚々として取り組むものの・・・皆、ついつい「思った」「嬉しかった」などと書いてしまいます。また、作文や小論文の添削をすると個々人の癖が顕著に現れています。無意識ながらも、自分の意見に自信がないタイプは文末が「~と思う」「~だろう」が延々と続くのです。

 かれこれ、数年前、高校の推薦入試に作文を課される学校を受験する生徒がいました。彼の文章の文末はすべてが「~思います」ばかり。毎回、お教室に来て勉強すると、その時は「癖」は修正されるのですが、自宅学習の際には元の木阿弥に。

 結局、もし本番で見直しをした際に「思います」のオンパレードに気付いたならば「~思います」を「~感じます」に書き換えるように指示しました。基本的に意味は同じですが、とりあえず表記が違うため「思います」がひたすら並ぶよりも、時々「感じます」とあるほうが印象が良いからです。

 つまり、見直し時に「自分の癖」に気付いたときは、なんとか同じ字数で収まる別の表現にするように意識するとよいでしょう。それよりも大切なのは、日頃から様々な表現をするように心掛けることです。

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© 2021 森下藍理 国語・文章・読書感想文指導講師