文章の型 鑑賞

敢えて崩す・・・

 「内容は分かりやすくていいんだけど時系列で書いてあって、盛り上がりがなくて物足りないな・・・」というのが 第一印象でした 。

 今日は 水戸から車で1時間ほどの筑西市で 大人対象に「伝わる文章講座」を担当しました。その際に還暦を超えた男性からご自身の文章を見せられ、次のように言われました。

「先生、これ見てください。これすごく自信作なんだけれども文芸教室の先生から『これは 時系列になっていて あまり良くない』と言われるんですけど。どこがどう悪いんですかね。自分ではとってもいいと思うのに・・・。」

とのこと。答えを言ってしまうと、まさに 時系列、 それこそがよろしくない理由 なのです。「確かに内容は分かりやすいしいいと思います。では敢えて崩す・・・語順を変えてみてはいかがですか?この部分を前に持ってきて・・・」とアドヴィスしました。

 私は文芸教室の先生に言いたい!ダメ出しするだけではなく具体的にどう書き換えるかも指導すべきだと!!まあ、それはさておき「時系列」の文章とはどんなものか?ファッションに例えると・・・。

 休日のオフの日に街を歩いていると前からアロハシャツを着ている人が2人歩いてきたとします。1人はシャツのボタンを1,2個(首回り)外してシャツを羽織るような感じで裾はズボンには入れていないラフなスタイル。

 もう一人はシャツのボタンを首まできっちり止めて、シャツをズボンの中にしっかりと入れているスタイル・・・。どちらがオシャレ、粋だとあなたは感じますか?私は・・・敢えて気崩しているスタイルのファッションをお洒落だと感じます。むろん、好みはいろいろあるとは思いますが・・・。

 文章も同じです。語順や書く順番を敢えて変える、時系列を敢えて外すことによって読み手には魅力が伝わるのです。正統すぎると面白み(魅力)が半減する場合があります。ビジネス文書ではないエッセイ等の場合は「あえて外す・・・」を意識してみることも大切です。

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