作文

あえて使わない

 文章って・・・難しいですよね。必死で「型」「書き方」を学んで、その通りに書いても説得力&魅力がない内容になってしまうことって少なくありません。極めつけは自分では気づかない癖!

 作文や小論文の添削をすると個々人の癖が顕著に現れます。無意識ながらも、自分の意見に自信がないタイプは文末が「~と思う」「~だろう」が延々と続くのです。

 だから時々、生徒たちに、例文が多く書かれているプリントを渡し、その例文に対して「思う」「感じる」「悲しい」「嬉しい」といった感情をダイレクトに示す表現を「あえて使わず」に気持ちを書く練習をしています。

 最初は意気揚々として取り組むものの・・・皆、ついつい「思った」「嬉しかった」などと書いてしまうパターンがほとんどです。以前に高校の推薦入試に作文を課される学校を受験する生徒がいました。

 彼の文章の文末はすべてが「~思います」ばかり。指導直後は「癖」は修正されるのだけれど、すぐに元の木阿弥に。結局、もし本番で見直しをした際に「思います」のオンパレードに気付いたならば「~思います」を「~感じます」に書き換えるように指示したこともあります。

 基本的に意味は同じだけれど、とりあえず表記が違うため「思います」がひたすら並ぶよりも、時々「感じます」とあるほうが印象が良いから。日頃から「自分の癖」に気付き意識することによって成長します。

 「自分の癖」を探す方法としては指導者に指摘してもらう、文章を書いたら2,3日寝かしてから改めて読み直す・・・と良いでしょう。なによりも大切なのは、日頃から様々な表現をするように心掛けること。自戒を込めて。

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