添削

小論文(例)

  

 「小論文」を書くことは難しく、それらを採点、指導するのもまた難しいです!!それゆえに採点する側も日々勉強で、「脳」の最高の訓練になります。

 さて、以前に「変えたほうが良い日本の伝統について、自分の体験など、具体例を挙げて論じよ。」というテーマの小論文がありました。それに対して生徒が述べた内容は「和を大切にする、しすぎる」日本の伝統を改善し「個」をもっと大切にすべきという論でした。

 文章の流れとしては、キーワードがきちんとあり「合格点」、文章構成は「可」、トータルとしては「まあまあ」の出来だったのでしたが1点だけ残念でした。

 それは、最後の結論部分に「ぬるま湯につかっている日本人気質を変えるべきだ」という表現があったこと。ここまで書くと言いすぎ、そもそもが「日本人気質とはいかなるものか?」と聞かれているわけではないのです。

 生徒自身の体験から「日本人はぬるま湯につかっている」と思ったならば、体験談のところで「私は、日本人はぬるま湯につかっている気質だと感じました」と書くべきであって、結論部分で「日本人の気質」として言い切るのはやりすぎ。

 体験談を思い出しながら書いているうちに少々ヒートアップしてしまったようで、それをそのまま表現した結果でしょう。自分が思ったこととして過激な(?)表現をするなとは言いません。

 しかし、母体数が大きいもの(日本人、外国人、特定の地域など)については一面的な自分の考えや意見で言い切るのは危険だということを指導しました。

 いつも書いていますが、これは小論文に限らず日常生活においても言えること。人間は感情の生き物なので自分の願望、要求があるのは正常ですが、それをどこまで押し通すか?この場合はどうか?などを冷静に判断する必要があると小論文指導を通してつくづく実感する今日この頃です。

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© 2021 森下藍理 国語・文章・読書感想文指導講師