記述のコツ

国語の記述のズレ

(問)「私たち鬼夫婦は、その夜、鳩首して小声で相談した」とありますが、自分たちのどういうところを「鬼夫婦」と言っているのですか?

(答)身勝手にも「ポチ」を殺そうとするような、自分たちの非情さや残酷なところ。

 

これは高校生国語における「小説」の問題です。生徒は次のように答えました。

「犬を殺そうという点」

 

生徒は「鬼」≒「角や牙がある異形の人」ではなく、「鬼」とは「ひどい、怖い」の比喩表現だとは理解しています。が、が、が、上の解答では△、部分点です。本人としては言わんとすることは合っているから正解?と思うかもしれません。

そこで生徒に言いました。「競走馬が足を怪我して、治る見込みがない場合どうするか知ってる?長く苦しませるのはかわいそうだからと、安楽死をさせるんだよ。この場合の『殺す』は酷い残虐な行為って言える?」と。

つまり「動物を殺す」≒「酷いこと」とは言い切れないのです。だから今回の解答には「身勝手にも」「自分たちの都合で」といった形容詞が必要になるのです。こういったことを考慮しながら解答をつくらない限り正解にはならないのが国語の難しさです。

大学共通テスト試行調査では、国語の記述式問題で自己採点と入試センターの採点とのズレの大きさが問題になったのは、ある意味納得です・・・。この辺りを意識して指導しなくては!と身が引き締まる思いです。

 

私は以前、進研模試の採点の仕事をしていました。必死で字数を埋めていても必要な「キーワード」などが入っていないと✖か△なのです。採点の基準がある≒記述のコツを学ぶことが出来る、のです!ぜひ記述の基礎固めをしたい方、ご連絡お待ちしています。

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