要約 雑感

分かったつもりは身についていない

(生徒)「うんうん。分かった。なるほど」
(私)「じゃあ、もう一度新しく、正確な文章を最初から書いてみて!」
(生徒)「え??最初から書くんですか?めんどくさい!」

 ブツブツ・・・エンドレスに言っている生徒の意見を無視して、私はなおも続けます。

(私)「書けた?書いたものを音読してみて」

(生徒)「あれ?どうやって書けばいいのか分からない・・・」

 

 ハイ、こんなものです。見たり聞いたりしただけでは理解したことにはならないのです。とにもかくも自分で書いてみないことには文章は上達しません。もともと書いてある文を一部だけ修正すればいいと思うかもしれませんが、正しい一文を最初から書くことによって、しかもそれをスラスラと書けるようになって初めて完成です。

 他者から解き方や書き方を習うと分かったような気になりますが、それだけでは不十分です。これがピアノや運動といった実際に体を動かすものであれば「そりゃそうでしょう。自分でやってみないことには身に付いているか分からない」と皆、理解するのですが、文章となるとまずは「めんどくさい」となるのです。

 少しでも効率よく勉強したい、楽に身に付けたいという気持ちは分かりますし、私自身、生徒には効率よく力を付けて欲しいと思っています。だからこそそのためのツール等は紹介しますし彼ら彼女たちにとって一番効率のよいであろう指導はします。

 例えば新聞のコラムの100字要約を宿題に出す場合、コラムを貼り付ける場所、要約をするマス目が印刷されているページをダウンロードして送る…などはします。これを使うことによって課題に取り組みやすく、100字の目安がすぐに分かります。自分で1文字ずつ数える必要がなくなります。

 とはいえ、そこまでは協力できますが実際の勉強は肩代わりしてあげることは出来ません。生きていくための「睡眠、食欲、排せつ」を他人が肩代わり出来ないのと同様です。知識や経験は本人が生きていくための糧です。めんどくさくてもきちんとしっかりと行いましょう。

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