相手、読み手に何かを説明する際には相手がイメージしやすいものを「たとえ」として用いるとうまくいくことが多いです。ついつい伝えたいことを分かってもらおうとするあまり、伝えるべきことに焦点を当てすぎるのは逆効果です。
先日、生徒からこんな質問がきました。「先生、獏って本当にいるんですか?」と。とっさに「いるよ。」と答えたところ、生徒はポカーンとしています。実際の画像を Google で出して見せたところ「実際に存在するとは?」とまたまたポカーンとしています。
実は彼の中では「獏≒伝説上の動物」の知識しかなったのです。つまり夢を食べるとされる伝説上の獏と実在する獏がどうも 結びつかなかったようなのです。それゆえ伝説上の獏の画像も見せて説明したところ・・・彼はますます混乱してしまいました。
そこで私は次のように説明しました。
「キリンビールのパッケージに描かれている『麒麟』はいわゆる伝説上の動物で動物園にいる首が長い キリンとは別物だよね。獏も麒麟(キリン)と同じような関係だと思って。」と。
するとようやく納得してくれました。彼の中ではずーっと「獏」とは1つだけのものだという認識があったため、いきなり伝説上の獏と実在の獏があると言われてもピンとこなかったのですが、具体例を聞いてからはすぐに腑に落ちたのです。
このように相手に対して説明する時には誰もが知ってるような具体例を出すとスムーズに伝わることが多いです。まかり間違っても相手を説得すべくして専門的なことを次から次へと述べるのは「北風と太陽」の「北風」になってしまうので要注意です。