「あまりにも子供の語彙がなくてびっくりしました。どうすればいいでしょうか」
このような声を保護者から聞くことが多いです。正直言って最近の子はあまりにも語彙が少ない。。。は事実です。それは本人の責任ではなく、語彙を増やすチャンスが少ないからなのでしょうが。
昔は家族が多く、年配の方々から慣用句や諺等を自然と学んだり教科書の内容で分からない言葉をピックアップしてノートに意味調べをするという宿題が出るのが一般的でした。
でも今は「宿題」を出すことに対してクレームが来たりするご時世ということもあり、「意味調べ」がすっかり鳴りを潜めています。そして知らない言葉が出てきてもそのままスルーしてしまうのが当然になっているような気がします。
むろん、試験中は「読み飛ばす」しかありませんし、英語の長文(特に高校生以降)では「知らない単語は飛ばして読む」ことも必要になります。でも、せめて試験後や教科書内の言葉ぐらいは調べて覚えた方がいいでしょう。
日本に住んでいるからといって日本語の語彙が増えるわけではないのです。では、「調べる」を実行すればいいか?と問われると、それはだけでは不十分。調べても覚えようとしなければ、「調べる」という行為に満足しているならば知識として定着しません。
最近は「語彙集」なる物が複数、市販されています。調べたい語彙があったら、①語彙集の索引を見る②掲載されているならばそのページを開いてマーカーでチェック③時折、語彙集をパラパラと見直す。まさに英単語と同じようにして少しずつ語彙を増やすのも一つの方法でしょう。
私自身は国語の授業中に紹介した新しい語句、慣用句、諺等は折を見て何度も生徒に意味を質問したり文章を作る練習をして完全に本人のみにつくよう工夫しています。この「繰り返し」が意外と一番大切かも?です。ご家庭で「意味調べ」で終わりではなく日常生活でも意識的に取り入れてみましょう。