慣用句・諺 鑑賞

人間万事塞翁が馬

 「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」という諺があります。 幸不幸は予期できない。何が禍福に転じるか分からないという意味です。「淮南子」の塞翁の故事にちなんでおり、古文の入試問題やテキストにも頻繁に出てきます。

 「塞翁が馬」という諺を知ったのは中学1年生の時、正直言ってあまりピンときませんでした。しかし、人生を半分生きて「まさに人生は『塞翁が馬』だ」と心底感じます。

 少しでも「良い方向へ」・・・と、前もって運気の流れなるものを見てもらったこともありますし、大きな買い物(家など)をするときは一応お伺いを立てましたが、今、振り返ると・・・正直言ってピンときません(苦笑)。

 なぜなら、いわゆる「いい時期」でも「嫌なこと」「大変なこと」はありましたし、逆に「良くない時期」でも「嬉しい出会い」「良いこと」はあったからです。

 では、運気表は無駄・役に立たないか?というと「NO!」です。ある意味、予め「流れ」を知っていたからこそ私自身が自分の行動を気をつけた、アクシデントがあった時にマイナスをプラスに変換した・・・。つまり「最悪だと思えたこと」を後々に生かしたからです。

 生きていると必ず「良いこと」と「悪いこと」が本当に見事に繰り返し現れます。「塞翁が馬」に登場する翁のように、「良いこと」があった時には浮かれすぎず「悪いこと」があっても冷静に対処する…その姿勢がよりよく生きるコツなんだなあと改めて古典から学ぶ年度末です。

 

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