雑感

だから小説は面白い&難しい!

 国語の教科書に掲載されたり試験に出題される作家さんには「流行り」があります。小説に関して言うならば、最近の「人気」の作家さんは

 

①重松清氏②朝井リョウ氏のお二方です。

 彼らの作品が選ばれる理由は「鋭すぎる人間観察による人物描写、どこにでもいる誰か」であることが多く、感情移入がしやすいという特徴があるからでしょう。生徒から試験問題を見せられた瞬間に「あれ?『チア男子』だ~!」と一人で盛り上がる私(笑)。

 試験に出る☞正しい答えを導き出さなくてはならないというプレッシャーが若者には重く乗りかかりますが、単純に読み物として楽しむならば彼らの作品は最高です。先にも書きましたが「鋭すぎる人物描写、しかもどこにでもいる誰か」なので小説を読みながら

 

「分かる~~~。そうそう、いるいる!こういう『イタイ人』」!

 

と自分の心の中で盛り上がることが出来るのです。例えば重松清氏の小説「ひこばえ」にこんな文章があります。

 

(以下引用)

「どうせ」が相手をどれほどムッとさせるか、どうして後藤さんはわかってくれないのだろう。

(引用終わり)

 

 知人・友人間で特定の人のことを名指しで「あの人イタイよね・・・。」といった悪口は基本的に言いたくない、言えない…けれど、自分自身の代わりに作家が作中で代弁してくれることによって私は溜飲が下がります。

 

 国語の中でも「小説」を解くのは一番難しいと思います。でも「国語」(特に小説)を通じて「想像力」を養い、自分はもちろんのこと将来を担う若者たちが成長していくのが楽しみです。

 

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