指導法

抽象と具体

 「国語の記述は、本文に忠実に書きなさい」 これは私だけでなく、多くの指導者が口にする鉄則です。

 先日も、述語を自己流で言い換えて×をもらっていた生徒が、 必死に本文の言葉を「8割以上」使って答案を埋めてきました。

 しかし、結果はまたしても「△」。 生徒は「言われた通りにしたのに……」と困惑しています。確かに気持ちは分かります。

 ではなぜ△なのか?原因は「問い」の条件にありました。 問いは「傍線部を『分かりやすく』説明しなさい」だったのです。

 その生徒は、本文中の比喩的な表現をそのまま要約していました。 比喩を比喩のまま抜き出しても、それは「説明」にはなりません。 「分かりやすく」と言われたら、誰が読んでも理解できる言葉に「変換」する必要があるのです。

 たとえば、本文に「牛乳、ジュース、お茶」と並んでいれば、文脈に応じて「飲み物」という抽象的な概念にまとめたり、難解な比喩を分かりやすい言葉に変換する必要があるのです。

 「抽象と具体の往復」こそが、記述の本質です。「忠実であること」と「分かりやすく言い換えること」。 矛盾するように見えて、実はその両立こそが国語の骨組みであり、私は徹底的に指導していきます。

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