「漢字が苦手で、テストでは独創的な『創作漢字』ばかり……。親が一つひとつ間違いを指摘するのは、過保護でしょうか?」
とある保護者さんは不安そうにこうおっしゃいました。
漢字が苦手な生徒さんは、そもそも「書く」こと自体を面倒に感じがちです。画数の多い漢字となると、なおさらハードルが高くなり、試験では「それっぽい字」を自作してしまうのです。
そんな様子を見かねて、ある保護者の方が間違えた漢字一つ一つについて「どこが違うのか」を丁寧に説明し一緒に何度か練習をなさっていました。
私はっきりと「過保護ではありません」と答えました。漢字が苦手なタイプの子に「自分でどこが違うか考えてみて」と言っても、そもそも“違いに気づく力”がまだ育っていないのです。
これは大人でも同じで、自分で何度も見直した文章でも第三者に見てもらうと誤字脱字が見つかるものです。
もちろん、いつまでも親がチェックし続けるわけにはいきませんが、生徒は小学生。自主性を育てるには「段階」が必要で、今はその段階を踏んでいる最中なだけです。
自主性を育てることと、放置は全く別物なのです。丁寧な関わりこそが、いつか自立した学習へと繋がっていくと思えた出来事でした。