雑感

書き言葉と話し言葉

 

 新年度が始まり、手書きの書類や手紙を書く機会が多くなる時期ですね。そんな時、ふと「この表現で合ってる?」と迷うことはありませんか?突然ですが「御社」「貴社」の違いって何だと思いますか?え?同じでしょうと思われたかもしれません。

 実は「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉で使います。また、御社様や貴社様という表現は二重敬語となってしまうので注意が必要です。具体的には次のようになります。

 御社のソフトを使用しています(話す時)。

 貴社のソフトを使用しています(書く時)。

 ではでは・・・「貴様」という言葉は?「貴様(きさま)」の由来は古く、室町時代の末期には既に使われていたそうです。主に男性が目上の人に対して呼ぶ敬称で、武家が書く手紙などで使われていた言葉です。

 

 日常会話でも使われるようになったのは江戸時代の前半からで、その時も相手に高い敬意を示す呼び方として定着していました。そう「貴様」は、文字通り「貴方様(あなたさま)」という丁寧語だったそうです。

 それから江戸時代中期以降になり軽い敬称として、そして後期にもなると対等の立場の者や目下の者に対して罵りの言葉としても使われるようになってきました。

 しかし明治以降は敬意の意味が無くなってしまい、目下に対して使う言葉として定着してしまいます。いわゆるテレビドラマ、小説、漫画などで喧嘩や争いの場面において「きさま~(貴様)」というセリフを耳にすることが多いでしょう。

 しかし、実はこれは元々は敬意を表す言葉でした。時代とともに全く逆の意味に変化するって面白いですね。言葉は奥が深く面白い・・・と同時に難しいです。迷ったらきちんと調べて極力正しい使い方を心掛けたいものです。

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