以前に中学3年生の学力テストにおいて「徒然草123段」が出題されました。123段の内容を一部現代語で紹介します。
「人間にとって絶対に必要とされるもの、第一に食べる物、第二に着る物、第三に住む場所である。人間にとって大事なのは、この3つに過ぎない。餓えなくて、寒くなくて、雨風がしのげる家があるならば、後は閑かに楽しく過ごせば良いのだ。
ただし、人には病気がある。病気に罹ってしまうと、その辛さは堪え難いものだ。だから医療を忘れてはならない。衣食住に医療と薬を加えた四つの事を求めても得られない者を貧者とする。」
これを読んだ某生徒が「これ、おかしい!こんなことを言っていたら今の日本だと全員が裕福になってしまうよ。だって、生活保護という制度があるから住むところや食べ物や着るものがないなんてことはないし。でも実際に全員が貧しくないかというとそうではない・・・。」と発言。
思わず成程~~~と妙に納得しました。日本は豊かな国だからこそ「今、あるものに感謝」と思いつつも、つい「今、足りない物」に目を向けてしまいがちなため幸福感を感じにくいのかもしれません。
とはいえ「足りない物」に目を向けることこそが成長への第一歩にもなるわけであって・・・。一つ言えることは、今の自分たちの感覚で古文や小説を読むと「???」になりがちということ。
作品が書かれた時期や時代背景を考慮して読み進めると内容が頭に入りやすくなり、正答率も上がります。いったん、問題を解き終えた後には先出のような疑問や発想をすることは大感激です!!