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見えるもの(有)と見えないもの(無)

 小論文の頻出テーマである「効率化」「多様性」「コミュニケーション」を深く論じるためには、物事の「裏側」を見る力が必要です。今回紹介する細谷功氏の著書『「有」と「無」』は、まさにその「裏側(見えないもの)」に光を当てる一冊です。

  『有と無』は、哲学書でありながら、実は国語や小論文と非常に相性の良い一冊です。なぜなら、この本が問いかけているのは「答え」ではなく、問いそのものだからです。

 国語の読解や小論文で最も重要なのは、「書いてあることを覚える力」ではなく、書かれていない背景や前提を想像する力です。

 本書における「無」は、単なる「何もない状態」ではありません。言葉にならない思考、沈黙、行間を問うているのです。

 小論文でもしかりです。事実(有)だけを並べても、説得力のある文章にはなりません。そこに「なぜそう考えたのか」「何を問題だと感じたのか」という
思考=見えない部分(無)が加わって、初めて説得力を持つのです。

 『有と無』を読んですぐに理解できなくても構いませんし、何度も読み返すことによって理解が深まります。この年末年始にぜひ読んでほしい一冊です。

 「有」と「無」の対立を理解することは、二項対立という単純なものではない、多角的な視点を持つための強力な武器になるはずです。

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