小論文の課題で「ネットや本を使って調べて書く」という指示を出すと・・・とんでもない事態に陥ることがあります。生徒は時間をかけて取り組んでいるのに出来上がったものは評価が難しいほど内容が浅いのです。
でも本人は「しっかりやったつもり」なのです。このズレの原因は、やる気ではなくスキルにあります。特に大きいのが語彙の不足です。言葉のストックが少ないと、問いを分解できず検索のキーワードも曖昧になります。
その結果、集まる情報もぼんやりしたものになってしまうのです。さらに、AIの使い方にも課題があります。
「〇〇について教えて」
といった漠然とした聞き方では、当然のことながら表面的な答えしか返ってきません。便利なツールがあっても使い方を知らなければ力にはならないのです。
そもそも多くの生徒が「調べる=検索すること」だと誤解しています。しかし本来は、情報を比較し、整理し、自分の意見として再構成するところまでが「調べる」です。
このプロセスがごっそりと抜け落ちているため「やったつもり」で終わってしまいます。
だからこそ今、必要なのは「調べ方」そのものの指導だなあとつくづく感じます。検索の型を教え、AIへの具体的な指示の出し方を示し、さらに「調べた後に必ず要約と意見を書く」という習慣を徹底すること。
これだけで文章の質は大きく変わります。AI時代の小論文指導は、「考える力」に加えて「調べる力」「使いこなす力」をどう育てるかがネックになります。
便利な道具の進化に振り回されるのではなく、それを活かす力を育てることが、これからの教育に求められていると感じています。