読書

ホの字

 ある有名作家さんの作中に「ホの字」という言葉がありました。 思わず「懐かしい!」と思うと同時に、今ではもう死語に近い表現だなとも感じたのです。

 しかし、その作家さんの凄さはその直後にありました。 さらりと「むしろ虜(とりこ)です」と言い換えていたのです。 たとえ「ホの字」の意味を知らない世代の読者であっても、 この一言があるだけで「ああ、惚れているんだな」と瞬時に理解できます。

 こうした「配慮」こそが一流の書き手の技術なのです。 重要な箇所や、あえて使いたい独特のニュアンスがあるとき、上手な作家さんは必ずと言っていいほど補完する「言い換え」を盛り込みます。 

 だからこそ、私たちは読書を通じて語彙力を高めることができます。 辞書を引かなくても言葉の意味を予測し、自分のものにしていくプロセス。読書をすることで「推察力のトレーニング」が出来ます。

 これは読解に限らず、何事にも当てはまります。結局は上達や成長には、ある程度の「回数」が必須ですね。

-読書