お風呂のドアを分解修理したときのことです。部品の構造を調べ組み立て直してことなきを得た私。こういう「直す」作業、めちゃくちゃ得意なのです。
そもそも、この「分析する力」は文章を読むときにも発揮しています。長文を図式化し、論理構造を可視化する作業は分解修理に通じるものがあるのです。
ところが、いざ自分が文章を書く側になると、大まかな流れだけ決めてそのまま突き進んでしまうことに気が付きました。むろん、1つのテーマだとそれでいいのですが、実は多角的視点から書く場合は図式化してきちんと関係性を把握して書いたほうがいいことに今更ながら気づきました。
読むときは構造を読み解けるのに、書くときはその逆の工程―つまり構造から組み立てる作業―を意外と疎かにしていたのです。
国語では、読解力と表現力は必ずしも連動しません。読んで理解できることと自分で文章を組み立てることの間には結構な隔たりがあります。
特に多角的な視点から論じる文章では、各要素の関係性を立体的に把握することが不可欠です。図式化はその最良の手段と言えます。この「図式化」を読むだけではなく逆方向からも活用する。
この双方向の思考こそが、本当の言語運用能力と言えます。修理も、読解も、執筆も、本質は同じ。構造を見抜き、それを自在に操る力、言い換えると一方通行ではなく往復できる力こそ最強なのです。