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梅雨、停滞前線

 今日は雨ふりの一日、明日も☔予報。まさに「停滞前線」(梅雨)の時期ですね。ちなみに日常の会話等においては「梅雨」が一般的でしょう。理科では「停滞前線」と言いますが。

「梅雨」という呼び名の由来には諸説ありますが、その一つに「梅の実が熟す頃に降る雨」という説があります。個人的には、この「パッと見て梅の時期」と想像できる感覚が、とても好きです。

 「停滞」という、ややネガティブな響きを持つ言葉よりも、「梅」の文字が入るだけで、途端に季節の移ろいや、自然の恵みを想起させるから不思議です。実際、今は梅が収穫の時期を迎えています。梅の実を大きく育てる、慈雨のありがたい雨ですね。

 国語的な見地から見れば、これは言葉が持つ「イメージ喚起力」の好例と言えるでしょう。単なる気象現象を指すのではなく、そこに季節の植物という具体的なイメージを結びつけることで「停滞」ではなく、生命の息吹や豊かな実りを内包する「梅雨」という情緒的な季節を味わえるのです。

 漢字の持つ力、そしてそれを組み合わせることで生まれる新たな意味。科学的な事実に、文化や自然への眼差しを重ねた「梅雨」という表現は、まさに日本語という言葉の豊かさ、そして季節を慈しむ日本人の感性を映し出しているのだあと改めて感じる今日この頃です。

 さらに言うならば、比喩的表現が何を意味するかという問いでは、言葉や漢字の持つイメージと実際の状況との共通点を見つけて考えるのが鉄則です🖊

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