鑑賞

「感謝」と「謝罪」

 「感謝」「謝罪」

一見すると全く真逆の行為ですが、「謝」という共通の字が使われています。「漢字の気持ち」(高橋正巳・伊藤ひとみ著)に「謝」という字について興味深いことが書かれています。

 要約すると【「謝」という字は心の負担をおろすという意味があり、ありがたい気持ちを伝えるには「感謝」、申し訳ない気持ちを伝えるには「謝罪」と、どちらも心の負担を下ろしたい時に使う言葉として同じ】と。

 

 成程!と思わず膝を打ちました。さらに言うならば、「失敗」「やらかした」ということがあまりにも多い私にとっては「謝罪するチャンス、機会」がある、与えてもらえること自体が有難くて…おのずと「感謝の念」が湧いてきます。

 

 こちらが失敗をしたことに気付いたとしてもそれを謝るタイミングがない時も少なからずあります。さらには失敗、相手に対して失礼なことをしていることにすら気づかないことも(汗)。

 

 そんな時に相手から何らかの形で私に連絡があると、時には「言い訳がましいかな?」と思いつつもまずは「謝罪」しその後に「そこに至った経緯」を説明することが出来ます。結果としてお互いにわだかまりなく、場合によっては以前よりも信頼関係が強くなることも。

 そもそもが相手としては私に対して言いにくいことを勇気を出して言ってくれているわけで・・・。しかも大半の方々はご自分は全く悪くないのに、丁寧に言葉を選んで下さっており・・・、まさに申し訳ないやら有難いやらです。

 

 「感謝」と「謝罪」、どちらかが欠けることなくセットで大切にしたい言葉です。

 

-鑑賞

© 2024 作文110番