鑑賞

座敷童と歩くパワースポット

 また今日もこんなことを言われました。一体何人目?

「森下さんって不思議な力があるよね」「歩くパワースポット!森下さんから連絡があった直後にいい話がいきなり舞い込んでくるの、しかもそれが連続で・・・。」と。

 ありがたいことだなぁと思いつつ、ふと頭に浮かんだのが「座敷童」でした。座敷童といえば、岩手県などに伝わる妖怪の一種。

 その家に現れると繁盛すると言われ、追い払えば家運が傾くとも語られています。怖い妖怪というより、どこか愛嬌があり「いるだけで場の空気を変える存在」です。

 ちなみに、座敷童は本当に存在したのかどうかなんてどうでもいいと私は思っています。科学で説明したり完璧に言語化する必要なんてなく、本人や周囲の人達が居心地がよく感じたり幸せになればそれでいいのです。

 人が集まる家、笑い声の絶えない家、なぜか居心地のいい空といった「説明しきれない良さ」を、昔の人は「座敷童がいる」と表現したのかもしれません。つまり、これは比喩で表現しているのです。

 雰囲気、空気といったものをそれらを「妖怪」という形で表した先人たちは、とっても高度な表現者だったのだなああと感じます。そもそも目に見えないものに対して畏敬の念を抱き、感じること自体が素晴らしいです。

 こうした「目に見えないエネルギー」や「運」を、当時の人々は「座敷童子」という名前(言葉)を与えることで、自分たちの理解できる世界に繋ぎ止めたのです。

 国語において「命名する(名前をつける)」ということは、存在を定義すること。妖怪とは、まさに日本人が生み出した究極の「比喩」であり「擬人化」の表現技法だなあと感じた一日でした。

 ちなみに「歩くパワースポット」も比喩であり、具体的には現代版の「妖怪表現」なのかもしれませんね。

-鑑賞