教育のデジタル化が進むスウェーデンで、 あえて「紙の本」と「手書き」による学習に立ち戻る計画を進めているそうです。
デジタル化による子どもたちの読解力低下への危機感がその理由です。たしかにデジタルは便利です。しかし、便利さは時として試行錯誤という大切な「経験」を奪ってしまう側面も持っています。
紙のページをめくり、前後の文脈を瞬時に行き来しながら、 余白に自分の思考を書き込んでいく。 この「手を動かす」という物理的なプロセスこそが、 脳を刺激し情報をしっかりと自分の中にインプット、そして書くことによってアウトプットしていけるのです。
ただ「見る」「聞く」だけでは、知識は表面的なものになってしまい、実際はというとインプットできていないことがほとんどです。「分かった」つもりで終わってしまいます。
自分の指先を通じて言葉や文章を書き出し、紙の質感を五感で感じること。 この「手触りのある学び」の中にこそが深い思考へとつながっていくのです。
デジタルの効率性と、アナログの身体性。 大切なのはどちらか一方を排除することではありません。 文明の利器に依存しすぎず、自らの手で知を身に着ける機会を守ることが重要なのです。
便利さと不便さのバランスを賢く取りながら「生きた知力」を育む教育のあり方を、これからも大切にしていきたいものです。