先日、フィギュアスケートの「りくりゅう」ペアが見せた見事な逆転金メダル。 彼らが逆転するまでの流れについての朝日新聞の記事を読み「言葉の力」について深く考えさせられました。
朝日新聞の記事につけられた「SP後、りくりゅうを立ち直らせた恩師の言葉 決して精神論ではなく」というタイトル。
ここに、すべての本質が集約されています。
世の中には「ポジティブでいこう!」「前向きに!」という言葉が溢れています。 しかし、それらの言葉が無責任に軽く語られたときには思わず白けてしまうのは私だけではないでしょう。
なぜ白けるのか?時としてその言葉に「根拠」がないからです。経験も理論も伴わない励ましは、受け手にとってはますますの不安を増長させることになります。
崖っぷちに立たされている時に、ただ「前を向いて」と言われても、足元が暗ければ一歩は踏み出せないのです。
しかし、今回の恩師の言葉は違います。積み重ねてきた練習の軌跡、そして 緻密に分析してきた課題を共に乗り越えてきた経験から出たには、圧倒的な重みがあります。
単なる「大丈夫」ではなく、「なぜ大丈夫なのか」が論理的に語られています。 だからこそ、折れかけた心は再び立ち上がることができたのです。
これは勉強を教える現場でも全く同じです。「君ならできるよ」 という上っ面の一言だけでは説得力がありませんし、下手すると生徒たちの不安をあおります。
「今の君にはこれだけの力が備わっている」 「このミスはこう修正すれば、次は必ず合格ラインに届く」
このような具体性と理論に基づいたポジティブな言葉によって相手の気持ちや結果を変えるのです。
今回のりくりゅうの逆転劇は、二人の努力の結晶であると同時に「言葉の質が結果を変える」という言葉の力、言霊の力を示してくれました。今後も中身のある言葉、言霊を意識しようと思う出来事でした。