雑感

「教えない指導」の甘い罠

 先日、同業の先生と「教えない指導」の是非について語り合いました。 最近よく耳にする言葉ですが、その実態には注意が必要です。

 自走できるカリキュラムと適切な伴走があるなら素晴らしいと思います。 しかし、文字通り「教えない」だけで難解な課題を投げて 「自分で考えれば思考力がつく」とするのは、かなり無理があるよねと。

 正直言って・・・時間の無駄&生徒の自己肯定感を下げる結果になりかねません。もちろん、それで自力で登り切れる「天才」もいます。 しかし、そうした子はどんな環境でも結果を出せるのです。

 塾や教師の役割は個々人の能力にあった方法で伴走することです。同様に「この方法で難関大合格」という宣伝も、現実は多面的です。 合格の背景には、本人の素養、環境、学習量、そして適切な導き、 それら複数の要素が複雑に絡み合っています。

 本来の教育とは、知識の土台を固め、道筋を示すこと。 「教えない」という免罪符で、指導を放棄してはいないか。 基礎を蔑ろにした「思考力」は、砂上の楼閣に過ぎません。

 「教えるべきを教え、その上で自立を促す」 このバランスこそが、私たち教育者に求められる誠実さです。 安易な流行語に惑わされず「伝える」大切さを、 改めて再確認した有意義な対話の時間となりました。

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