対比 雑感

啓蟄と「虫愛づる姫君」

 3月5日は二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」。 「啓」は「ひらく」、「蟄」は「土の中で冬ごもりしている虫」を意味します。

 つまり、春の暖かさに誘われて、土の中の生き物たちが一斉に顔を出す時期のことです。

 「虫」と聞いて私がが真っ先に思い出すのは『堤中納言物語』の「虫愛づる姫君」という作品です。周囲が蝶や花を愛でるなか、毛虫の「真実の姿」を尊び、眉を抜かずにお歯黒もしなかった風変わりな姫君のお話です。

 彼女のような存在は、現代で独自の視点を持つタイプとして重宝されるかもしれませんが、が、が、私はは彼女のようにはいきません。実は私は虫が大の苦手なのです。

 啓蟄を迎えると、「いよいよ彼ら(虫)が活動を始めるのか……」と少し身構えてしまいます。 そして・・・

「きっとお雛様も、虫が出てきたら嫌だろうな」

と勝手に決めつけて早々に箱の中へお休みいただきました~。 「啓」という字には「開く」という意味がありますが、わが家では虫の出現を前に、お雛様の扉を固く「閉じて」しまいました。

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