作文 対比

対比が引き立てる!

 

 先日、出先で「何もないけれど 全部ある」というキャッチコピーを見ました。おもわず「なるほどなあ~」と感心しました。これは人によって解釈は様々でしょうが、確かにその地域は「目玉」といえる観光所や名物があるわけではないのです。

 しかし、自然豊かで食べ物がおいしい地域。過疎と言うほどではない、適度な田舎なのでお店も沢山あって・・・、そう「全部ある」のです。反対の意味を持つ言葉を敢えて同時に使うことによって第三者に与えるインパクトがとっても大きいのです。

 言葉に限らず料理にも当てはまり「甘い」「辛い」など、味覚を刺激する二つの味がある時に、片方の味が他方の味の強さを強めるように変える現象を対比効果というそうです。

 塩の塩辛さがスイカの甘味を強くし、引き立てる効果がこれに当たります。大人になった今では、暑い夏に、塩も何もかけずにガブリとスイカにかぶりついているけれど、幼い頃は塩とスイカはセットだったのを懐かしく思い出します。

 面白いのが、甘みを出すために「砂糖」を大量に加えるのではなく、「塩」を加えることによって甘味が引き立つこと。言葉もしかりで、強調するために同じ言葉を繰り返すことも大切だけど、時には「あえて逆」の言葉を使うとインパクトが強くなることを意識すると文章に深みが出ます。

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