「きく」には「利く」「聴く」「聞く」「効く」…等々様々な漢字があります。そして、人を相手とする仕事にはこれらの「きく」全て必要なスキルだとつくづく感じます。
①目を「利か」せて相手が欲していること、相手に必要なことを判断する。
②そして相手の話をじっくりと「聴く」。
③①②を満たして初めて「効く」(効果がある)のです。
①②がうまくいかないと目の前の相手は単に「聞く」だけになってしまうのです。「聞く」状態ならまだいいのですが、下手すると「馬の耳に念仏」…右から左で、時間やお金の無駄になってしまいます。
例えば推薦入試を考えているから、とにかく内申点を上げたい(定期テストに重点を置きたい)生徒に対して、そういう状況を確認せずに「勉強は無駄にはならない!」とばかりに難しいテキストを渡して演習させたとすると・・・。
悲劇です(苦笑)。お金とエネルギーと時間の無駄です。何年か後に「やけに熱心で持論(自論)を展開する先生がいたよね~。まあ、推薦入試で合格できたから結果オーライだけれど。」と笑い話になればいいですが、そうならなかった場合は本当に悲惨です。
以前に、某専門家に色々と伺いたいことがあり、私は大枚をはたいたものの・・・、こちらが内容を言う前に持論を展開されてしまい大変でした。相談時間の後半になって舵を正しい方向にむけるべくして私は必死でした。
前半のお話自体、素晴らしいし正しいのですが今の私には必要がない内容だったのです。そんなこんなで私は「聴く」ではなく「聞く」状態でした。お金を払っているし!と必死で「知識」「一般常識」として脳内にインプットはしたのですが、感情には響きません。
自分が熱く沸騰する前にまずは相手に対して目を利かせ、しっかりと聴くことを心がけようと改めて思った次第です。