鑑賞 雑感

興味深い日本語表記

 先日、目の前を走っている車をふと見ると「札幌」ナンバー。私自身は「帯広」ナンバーなので「おっ、同じ北海道!」となんとなく仲間意識を持ちました。茨城において北海道ナンバーは意外と珍しいらしく、あちこちで「え?!北海道?!」と驚かれます。

 

 実は十数年前は「熊本」ナンバーで茨城を走っていましたが・・・と思う私。私は北海道ナンバーの車を見たからといって、その車や乗っている人に興味を持つわけではもちろんありません。「あ、北海道だ。」で終わりです。

 

 が、が、が、明治時代の歌人である石川啄木は故郷(岩手県)の訛りを上野駅で聞くと望郷の念が一層強くなり次の歌を残しています。「ふるさとの 訛りなつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」。他にも望郷の念をうたった作品は数知れず。

 

 

 これらのことをふまえて「石川啄木≒望郷の念」を国語では問われることが多いです。そのことを国語の授業で生徒たちに力説すると・・・「望郷の念って一言で表現するとホームシックですね。」とのたまった(笑)生徒が。あまりにもドンピシャだったので二の句を告げなくなりました。

 

 「望郷の念」を「ホームシック」と言い換えてしまうと身も蓋もない・・と思わず苦笑しました。「望郷の念」と聞くとイメージがいいのですが、「ホームシック」と聞くと世俗的でイメージはあまりよくないでしょう。これが言葉の面白いところで、逆に「嫉妬」を「ジェラシー」と言い換えるとキツイ、怖いイメージだったものがカタカナに言い換えることによって少し和らぎます。

 

 

 場面に応じて漢字、カタカナ、ひらがなを使い分けると表現力に幅が出る、どれを使おうかと考えると面白いなあと改めて感じます。だから日本語は難しいのですが楽しいです。なーんて呑気なことを言っている場合ではない私。急いで今から年賀状作ります💦

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