語彙力 雑感

「読み書き」の力

 「先生、お母さんから聞いたんですけれど・・・。昔は私立は公立を落ちた人が行く学校だったって本当ですか?」 

 一瞬、なんて答えようかと躊躇しましたが生徒にウソをつくという選択肢はもとより私にはない上に彼女ならば冷静に物事を受け止めるだろうと思い「本当だよ。」と答えました。誤解のないよう最初に書きますが、あくまでも特定の地域において・・・での話です。

 

 今では金銭的、距離的なことから保護者が「公立高校しか駄目よ」というパターンはあるものの、学校側の進路指導において私立と公立とにおいて「差」をつけることは少なくなりつつあります。でも今から30年以上前は「公立至上主義」という地域が多かったです。それゆえ「私立」≒「公立に落ちた」「公立に入れる学力がなかった」とみなされていました。

 

 今はどの私立高校もレベルうんぬんよりも独自のカラーを売りにしており、「○○高(私立)に入りたい」という生徒、公立を第一志望にしつつも残念ながら不合格になって私立になったとしても、卒業時には「この学校にしてよかった」と親子ともに言える・・・というパターンが本当に増えています。

 

 中学・高校は人生においては通過点にしか過ぎず、たとえ超有名な学校を卒業したからと言って学校名に胡坐をかいていては周囲から置き去りにされるでしょう。「○○校」というブランドはあるに越したことはないでしょうが、結局はそういう飾りよりも本人の中身(教養)が、ますます大切になってきます。

 その「中身(教養)」として欠かせないのは「発信する力」≒「書く力」「読む力」です。どこの学校に行っても、何歳になっても常にそのことを意識することが重要だと個人的に感じますし、生徒にもそのように伝えたのは言うまでもありません。

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