文章の型 雑感

自分の言葉

 「自分の言葉」で表現する!

これが一番、相手に伝わる方法だという当たり前のことを最近つくづく感じます。文章指導・国語を教える立場上(?)文章の書き方なるものを人様に指導しますが、結局は「自分の想い、気持ち、本気度」をどれぐらい込めて書くか?!が一番大切です。

 そもそも文章で物事を伝えることは難しいです。実際に本人を目の前にしているならば表情、声のトーン、態度、仕草などで本心を見抜くことは出来ますが、文章は書いてあることから判断するしかないからです。

 

 だからこそ「型」「書き方」を工夫する必要があるわけですが、完璧な組み立てて書いたからと言って相手に伝わるとは限りません。逆に文章そのものはめちゃくちゃでも「気持ち」がこもっていると相手の心に響きます。典型的な例は「野口シカ」さんの手紙でしょう。※野口シカさんは野口英世の母。

 

 

 「はやくきてくたされ はやくきてくたされ いしよのたのみてありまする」(早く帰って来てください。早く帰って来てください。一生のお願いです。)と、長い年月会うことができない英世に、一目会いたいという気持ちを切々と綴っています。

 

 手書きだからなおさら気持ちが伝わる・・・ということもあるでしょう。でも、仮に手書きではない活字だったとしても同じ人が書いた複数の文章を見ると何となく人柄が見えてきます。同時に「人の言葉を借りている」のか「自分の本音」かが自然と分かるようになるものです。

 

 

 元々、「自分の考え」だと思っていることは実は以前に本で読んだり誰かから聞いたという内容がほとんどでしょう。でも、それをきちんと自分の中で理解して納得して実行して…自分の物にした言葉であれば説得力があります。逆に「ああ、素晴らしい内容だ」と単なる「受け売り」で書いている文章は全く説得力がありません。

 

 「自分の言葉」で語るためには経験値や内面を研くことが必要で、それなりの時間がかかりますが「書く技術」は比較的に簡単に学ぶことが出来ます。まずは「書く技術」を学びたいという方はぜひぜひお声掛けくださいませ。

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