四字熟語 雑感

漱石枕流

 

 「吾輩は猫である」「坊ちゃん」でおなじみの夏目漱石。漱石とは実はペンネーム、本名は金之助。この「漱石」とは「枕石漱水」という四時熟語から来ています。「枕石漱水」とは「流れに漱(くちすす)ぎ石に枕す」と読み、「俗世間から離れて、川の流れで口をすすいで石を枕として眠るような引退生活を送りたい」という意味です。

  晋の時代の孫楚(そんそ)という人が友人に「もう隠居したいんだ」という気持ちを伝えるために、この詩を使って話をしました。しかし「漱石枕流」と言い間違えたところ、友人はすかさずつっこみます。「おいおい、石で口をすすいで川の流れを枕にするなんてどんな隠居生活だよ」と。

 ところが、孫楚は間違いを素直に認めることはせず「石で口をそそぐのは、歯を磨くため。川の流れを枕にするのは水で耳の中を洗うためだよ」と負け惜しみを言うお話。ここから漱石枕流は負け惜しみ、頑固者という意味になり、自分のことを変わり者と思っていた漱石はこれをペンネームにしたと言われています。

 ちなみに以前、この故事成語を扱っている古文を生徒に解かせ・・・それから「字」を見て何か気づくかなああと期待ましたが完全に期待外れ。正答率が低くさらには「漱」「石」にチェックを入れても全く反応なし。「日本人として恥ずかしくない教養を付けさせたい」という余計なおばさんパワーが炸裂の私でーす。

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